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【太田塾】第3講 「NHKおはよう日本が伝えたこと」

2018.05.31 | Category: 太田塾




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第3講

水素の研究、最初はいかがわしい研究?

 

第2講より続く・・いろんな研究をしてきました。その中で2005年の1月に始めたのが水素の研究です。これが1番最初の研究結果なんですね。これが1個の細胞ですし、これも1個の細胞です。これは培養細胞といってお皿の中で一個一個の細胞を飼うことができる。その時に片方には水素を入れて片方には入れない。私たちの研究と言うのはずっといろんなことをやりながら、どういう風にすると活性酸素が出て、どのぐらいダメージがあるかというのは見てわかる位になっています。

 

これは、細胞の中で活性酸素を発生させてやりました。そうすると、いつものように細胞が縮むというか首をすくめたような形になって、ちょっとヒゲみたいなのを出すんですね。これはいつものパターンで済む。ところが、水素があると全く変わらない。これはもうびっくり仰天しましたね。

 

この2つの写真を見るとどこがどう違うのか?と言う人がいるんですが慣れてるとものすごい違いというのがわかる。これは大変なことが起きているぞと言って、ここでなんでビールのイラストが入っているかというとその日のうちにビールで乾杯した。そういう話ですね。

 

これはすごいことが起きたぞーということですね。後からだんだんわかってきたんですけど、一緒に実験やった人が、他の本に書いている。「教授が変なことを言っている」とても信じられなかった、ということが書いてあるんですね。

 

当時は、本当にうちの研究室は困ったことを始めたなぁというような顔をしていました。スタッフの中にはこの実験をやっているときには、アメリカに留学していて、アメリカから帰ってきて水素研究やっていると言ったら、「そんな研究はちょっといかがわしいと思うんですけど」と直接言ってくれた人もいるんですね。それじゃあやめますという風には言わなくて、自分も水素の研究やってみたらというように言ったらそれで納得している。

 

今まで水素の研究というのは誰がやってもちゃんと効果が出ます。ですから名古屋大学や慶応大学はじめどんどんやる人が増えているんですが、やってみたらと言われてやってみたらどんどん効果が出てくる。これでまあ水素の力がすごいということがわかる。

 

活性酸素という悪者の正体

 

先ほど活性酸素は良い役割と悪い役割があると言いました。しかしこれは実は1つの分子が良い役割も悪い役割もするということではなくて、活性酸素というのは、1つの分子ではなく総称なんです。

 

例えば九州というときには熊本県も宮崎県も福岡県もあって九州ですよ、と言うことですね。ですから活性酸素というのは、九州みたいなもので、その中に1つスーパーオキシドとか過酸化水素とかヒドロキシルラジカルとか1つではないんです。その中で酸素が電子を行き交う。電子とは蛍光灯を流れている電子と同じものですね。その電子と同じものを酸素が一個吸うんですね。

そうするとスーパーオキシドになる。もう一個吸うと過酸化水素になる。もう一個吸うとヒドロキシルラジカルになる。

 

電子を一つ一つ吸うごとに酸化力が強くなっていく。こちらの酸化力が強いんですが、比較的弱い方は必要な役割を果たす。私たちが筋肉を動かして鍛えようとするときには、こういうものがないと鍛えられない。ですから運動して活性酸素をほどよく出してやればいい。次のパワーに変わるわけですね。それから血管を作ったり、そういうものにも活性酸素は必要なんですね。それから傷を治すにも必要なんですね。

ですからそういうものがないと却って体に悪いと。しかし、こちらのヒドロキシルラジカルが多すぎるとヒドロキシルラジカルの原料になるんですね。ですからいい役割をするんですけれど、多すぎると悪くなるものの原料になってしまうということになる

ヒドロキシルラジカルが1番酸化力が強くて、これが破壊の原因になる。

 

ここで分かった事と言うのは、水素はヒドロキシルラジカルを消去することを発見したと言うことです。

 

NHK「おはよう日本」が伝えたこと

 

これだけではなく2005年に研究を始めて、2007年に最初の論文を出すことができました。2007年にネイチャーメディシンの電子版が5月、印刷物が6月に発表されましたから、ちょうど10年ですね。

 

ネイチャーメディシンというのは、世界でトップという事は、世界中の人がみんなここに出したいということで競っているわけです。しかし、なかなか採用されないんですが、私たちの研究チームはこの論文を採用していただきました。これはもちろんポッと出したからOKと言うわけではなくて、見たら頭がクラクラするくらい、あれやこれやとあれこれといわれて、それを4ヶ月以内にやれといわれたりするんですけど、斜め読みしただけで、どうしたらいいんだろう、困ったなぁとなるくらい、要求があっていろんな疑問が出てきて、それを出すと、ここまだダメっていわれて・・・。

 

そういうようなことをしてやっと通ったわけです。これがやっぱり非常に大きくて、世界中の研究者の目に止まって、今、いろんな研究が始まって800~1000報の学術論文が発表されるようになりました。やはりこの雑誌に載ると言う事は、世界中のこの分野の人だけでなく、他の分野の人も見てくれるようになるので、自分で言わなくてもこんなことをやっているというのを見てくれる。この前ノーベル賞受賞した○○さんという方を招待して日本に来ていただいたんですけど、成田に迎えに行って車に乗ったら〇○先生がですね、「シゲオ、水素の研究はどうなった?」て言ってくれるんですね。誰から聞いたんですかと聞いたら「何言っている。論文になっているでしょう」と。論文読んだんですって。そのくらいいろんな方が読んでくれているということです。

 

これが水素に関する最初の論文ですね。ネイチャーメディシンというのを紹介すると一カ月に1冊発行されて、これに3つぐらいの論文しか出ないんです。だから1年に40 位しか出ないですからこれは非常に厳しい。

 

水素の効果を見える化

 

2007年5月8日にNHKの「おはよう日本」で7回位紹介されました。なぜこういうニュースがテレビに同じタイミングで出るのかというと、アメリカから世界中の新聞社とかテレビ局にこれからこういう論文が出ますよというのが配信されるんですね。ですからいつ何時にどういうものが出るかマスコミの人はわかっていて、これには協定があって何時何分までは出してはダメと言う約束事があるんですね。

 

ですからこのニュースも2007年5月8日午前4時30分前は出てなくて、これが1番最初ですから新聞も同時に各新聞に出る。これが水素医学の1番最初です。こうして最初からドカンと出るのは珍しい。

 

 

では実際どういう実験をしているのかというのは、いろんな図がいっぱいあるんですけど、1つはわかりやすいというのは大事です。難しいことをいうより、誰もがわかるようにしないといけないというのは私たちの気持ちです。グラフや数式で書いて、これはわかるでしょうと言うのではなくて、誰もが、見てそうだねと納得してもらうのが大事なんですね。専門家だけでなくて誰でもわかるようにする。

この写真ですが、この赤い点、これらは1個1個の細胞です。

 

先ほど活性酸素と言うのは一つ一つ種類があるんですよと言いましたけど、これを見ることができません。しかし、見えないからしようがないということではなくて、見えないものを見えるようにするのが私たちプロですですから、蛍光色素というのがあって発色させることができる。そして、それを見ることができる。(ここではヒドロキシルラジカルを緑に発色させて変化を見ます。)

 

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これで安心!国際基準適合商品に認証マーク

ヒドロキシラジカルは水素があると緑が薄くなる。という事は水素がヒドロキシルラジカルを減らしているということを証拠だてている。動かない証拠。ここでもう一つ大事な事は丸く抜けているところがあるんですね。抜けているところは核。核とは遺伝子を保管しているところ。これが核です。

ですから核にまで水素が入り込んで、ヒドロキシルラジカルからDNAを守っている。DNAを守っているというデータもきちんと出しています。

 

次にこれは難しいんですけれども、これは論文の最後の最後の実験になったんですけど、ヒドロキシルラジカルというけども、この蛍光色素というのが間違っているんじゃないんかとまで言われてるんですね。これは私たちが開発したのではなくて東大の薬学部ですね。長野先生の研究室で開発した試薬なんですよ。

 

ヒドロキシルラジカルと反応すると緑になるというものができました。これもたまたま偶然なんですけども共立薬科大学でシンポジウムがあって、長野先生と私が招待されて2人が喋ったということがあって、その時にお昼を一緒に食べました。その時「長野先生、今、何をやってるんですか?」と聞くと「今、面白いのができてね、ヒドロキシルラジカルと反応するものができた」と聞いたのが始まりです。

 

しかし開発されたばかりなので水素がヒドロキシルラジカルを消去するなんて本当なの?間違っているんじゃないのと言われてしまう。そのぐらい厳しいんです。だから蛍光色素が正しいと思ってやってるんだけど、じゃあ蛍光色素が間違ってたらどうするのて言われちゃう。

 

そこで、また別の方法でやらなきゃいけないということで、別の方法とはESRという方法です。ESR測定の機械をうちの研究室には持ってなかったので市販品で探しても不十分なんですね。その時ES Rを開発中の会社があって、1日350,000円で貸してくれる。1日仕事するたびに350,000円もかかるんじゃ人に任せておけないという事で私がお金も貯めて、お昼もコンビニ弁当にして、夕食も同じということの繰り返しをしてやった実験なんですけど、これはパターンでラジカルを見ることができるんですね。そうすると水素があるとヒドロキシラジカルのシグナルがちゃんと減っていることがわかる。

こちらのほうは複雑になるんですけど、これとこれを引き算するとヒドロキシルラジカルと同じ診断ができる?のでここで水素がヒドロキシラジカルを減らしていくことが証明されて、よしわかったということになって最後の受理ということになった。

 

 

では、なんで水素はヒドロキシルラジカルだけと反応するの?これはおかしいじゃないと言われる。
しかし、これは別におかしいことではなくて、今まで活性酸素をひとくくりにしていたことが間違いなんですね。というのは酸化力というのは、ヒドロキシルラジカルとスーパーオキシドが100倍も違うんですね。100倍も違うものを一緒にしていたということ自体が本当はおかしいんです。

 

だけど区別する必要はなくて、みんなひとくくりにして区別する必要もなかったので、活性酸素でよかったんですね。そういう意味で私が悪玉活性酸素と善玉活性酸素というのがあって水素はこちらの方だけ反応するよと。

 

酸化還元力は強ければいい?

酸化還元反応というのはどういう反応かというと、電子を受け取る反応なんです。これはプレゼントとして例えています。こちらの人は還元力が強いんですね。還元力が強いという事は、プレゼントをあげたいという力が強い。そうすると、こちらの女の子はそんなにプレゼントが欲しいわけじゃないよ、といってもあげたいというとちゃんとプレゼントは渡るんですね。ですから還元力の強いものだったら反応は起きる。

 

ヒドロキシルラジカルさんは何かというとプレゼントがうんと欲しい人。

プレゼントが欲しいというから、こちらもプレゼントをあげたいと言うから反応が起きます。

 

ところが水素というのは還元力はそんなに強くないんですよ。水素は還元力が強いと思ってる人が一杯いるんですけど実は強くないんですよ。ですからプレゼント、後ろに隠しているようなものですね。

もじもじして。こちらの人はよこしなさいよと言わないから、プレゼント渡らなくて酸化力がそんなに強くないと反応しない。

 

どういうことかというと酸化還元反応、酸化力が強いものに対しては還元力が弱くても反応する。酸化力が弱いものに対しては還元力が強くないと反応しない。だから、今まで色々な商品を見ると、うちの商品は還元力が強いよ強いよと宣伝しているんですけど、これは危ないんですよ。還元力が強いという事はやたら反応してしまうということなんですね。

 

ですから昔はですね、ビタミンCというのは上限が実はなかったんです。いくらとっても大丈夫ですよと言うんですが、今は1日1グラムというのが一応目安になっています。また還元力が強いと遺伝子を変化させたりするという検査もあります。

 

ですから酸化還元と言うのは強いものに対しては弱い。弱いものに対しては強い、というような考え

を持たなければいけないということです。ですから今まで還元力は強いほうがいいんだという考え方は間違っていて最近は酸化ストレスということを、酸化力が強いというのは酸化ストレスというんですが、最近は還元ストレスというのもあって、還元力というのを適当にしなければならないということになっています

では一体水素は、どうしてそんなに効果があるのかということなんですが、水素は小さいからです。小さいという事は、いろんなところに入り込んでいくことができるということ。おでんのこんにゃくに醤油が染み込んでいくようなものです。何もしなくても自然に入っていきます。じわじわ入っていく。水素はもっと早く入っていきます。例えば水素のお風呂に入ると7分間で全身を回る位のスピードで体に入っていく。

 

水素の効果は一目でわかる!

 

これも色をつけてわかるようにします。生きている細胞は緑にして死んでいる細胞は赤になるように工夫してあります。こちら(左)水素がなし。1時間を10秒で見れるようにしてあります。そうすると途中からバタバタと赤に変わる=死んでいくと言う事ですね。ヒドロキシルラジカルと言うのはとても恐ろしい。細胞をこういう風に壊す。

 

ところが水素があるとどうなるかと言うとほとんど死なない。細胞を守ってくれるんですね。それは、どうしてかというと浸透力が科学用語で言うと拡散。それともう一つ、水素が溶けると言うのは水の隙間の中に入ってくるようなものですね。油の隙間にも入っていきますから水にも油にも溶けるということになります。

 

そうすると水溶性ビタミンは水に溶けるけど油に溶けないので、ここをなかなか突破できない。水溶性ビタミンは細胞の外は油で中は水ですから、油のところで止まってしまうということになります。その点水素はずっと入っていくことができるので、効果を現すことができるということになります。

実際に核も守ってくれるのか。ミトコンドリアは守ってくれるのかいうのは、これも色をつけて赤く発色するのはミトコンドリアが原因という意味です。水素があるとミトコンドリアも元気ですので、そういうふうに色素をつけてわかりやすくしています。これが1個の細胞で点々となっているのはミトコンドリアです。

 

それからもう一つ。水素のメリットと言うのを話して休憩に入りたいと思いますが、これは心筋梗塞を例に取っています。心筋梗塞はここの(表)冠動脈に血栓が詰まったと。そうなると血流が悪くなるわけですね。血栓ができて血流の止まったところで血流を再開するときに虚血再還流障害といって活性酸素がワーッと発生してダメージが与えられるんですね。

 

ところが水素は、よその血管系から水素がいって、染み込んでいって、ここに入っていって、血流が来るのを待ち構えている。普通の薬でしたら一緒に血流が流れて、のこのこ後から追いかけてくることになります。ですからそういう意味で救急医療の治療にはすごく有効であると考えられています。

 

これをイメージとしてはわかるんですけど、それは本当なの?ということになる。

そんなのできないだろうと思ったら、若い人の中には器用な人がいてラットの、こんな小さな心臓の血管を止めて、その部分に針状のものを突っ込んで水素濃度を測ることができるんですね。そうすると血管を梗塞した時も、すっと水素が上がっていくということがわかるんですね。これはイメージで想像してるんじゃなくて、実際、測定しているんですね。

 

私たちの研究をしてこうだろう、あーだろうと想像しているんじゃなくて、そういうものを一つ一つ全部調べているんですね。それと同時に、目ですね。目には血液がないんですよね。だから1番良いのは目の中に水素がちゃんと入っていくんだったら、拡散によって入ってくるならもう間違いないですね。血流も何もないんですから。そうするとネズミの目に針を刺して測るということも実はもう論文に出しているんですね。

 

 

それからガスを吸った時にですね、水素がどれくらい入っていくかということを測っている。

水素ガスを2% 4%吸わせて、それから動脈血と静脈血が下がります。という事はガスを吸わせると体内に入っていて血流が悪くて動脈血と静脈血が体の中で使われているということになります。

 

今日はですね、最初にガスの話をして、それから水素水の話をしたいと言うふうに思います。私の試験としてはネズミに脳梗塞を起こしてガスを吸わせると言うのをやっています。そうすると赤いところが生きているところ、白が死んでいる所です。脳梗塞を起こすとこんなに死んでしまう。ところが2%ガスを吸わせるだけでこれだけ死ななくなる。これは後でお話ししますけれど10年前に発表したデータです。10年後の今年ですね、もうすぐ発表になると思いますけど人間の患者さんに対する脳梗塞を起こした患者さんに水素ガスを吸わせて治療効果というか論文発表できました。これは素晴らしい効果があるということが実証できた。ですから動物実験からスタートして最終的に臨床試験をして発表できたというのに10年かかるという事ですね。でも10年と言いのはとても短いかなぁと思っています。1時間経ちましたのでここで休憩に入りたいと思います。

以上 第3講でした。次回を会員登録の上ご覧ください。

 

原稿管理No18052111

 

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