水素の医学的研究をはじめて13 年
水素の医学的研究をはじめて13 年 執筆:太田成男
私が水素の医学的研究をはじめて、13年目に入ろうとしています。テレビでも何度も取り上げられ、水素水の認知度はうなぎのぼりです。
テレビ、新聞、週刊誌の水素についての報道がされたのは、私が関与しただけでも20回以上になります。今年は海外でもいくつかの会社が設立されました。水素水ぱ今後どうなっていくのでしょう。
私たちが育った時期は、水は水道水を飮むものだと思っていました。しかし、海外留学先では、当たり前のように水を購入していましたし、レストランではビールやワインと同じくらいの価格で当たり前のように水を注文していました。
それでも、日本では、きれいな水が豊富でしたので、まさか日本では、水を買って飮むということはないだろうと思っていました。
現在は、日本でもミネラルウォーターを飮むことが普通になっています。今後は、市販のミネラルウォーターは水素水に置き換わるかもしれません。いろいろな職場やサロンや病院など、どこでもミネラルウォーターが置かれています。
これもすべて、水素水サーバーに変わるかもしれません。
実際、スポーツジムでは、水素水サーバーを設置するところが多くなっています。
水素を体にとり入れる方法はたくさんあります。
いろいろな場面や、その人の状況に応じて水素を摂取する方法を選ぶことができます。心筋梗塞、脳梗塞、心肺停止のような救急を要する病気には、水素ガスを吸わせるのが標準的な治療になるかもしれません。
「なるかもしれません」なんて、第三者的な意見をいうのではなく、なんとか医療に使われるように努力するのが、私たちの務めです。
将来の救急車には、すべて水素ボンベが装着されるようになるでしょう。手術のときの、麻酔ガスには水素ガスが混ざっています。病院のベッドには、酸素の吸入パイプと同時に、水素の吸入パイプがあるのも当たり前になるかもしれません。
◎普通に簡単に水素をとるには、水素水。
◎体を温めたかったら、水素入浴。
◎水を飲めない血液透析の患者さんは水素入浴。
ところで、水素の効果は健康医学の分野にとどまりません。魚などの生鮮食物の鮮度の維持にも水素は効果的であるというデータもでています。いままで、青森から名古屋までしか運べなかった生鮮魚が、水素水を使うとによって、青森から福岡まで運べるようになるかもしれません。
私は、肉に水素発生する素材をくっつけ、肉の表面から水素を作用させてみました。すると、水素が発生している箇所だけ新鮮な赤い色に保つことを確認できました。
いまは、肉の鮮度を保っているよう見せかけるために、発色剤を使うこともあると聞きますが、水素によって見かけの鮮度ではなく、本当の鮮度を保つこともできるようになるかもしれません。
水素の効果は、人の健康や美容にかぎったことではありません。水素は植物に対しても効果を示します。例えば、塩分に対して耐性を示すようになります。また、水素によって除草剤の害も少なくなります。
私自身は確認していないのですが、水素水を使った水耕植物の生育は非常によいとの話も聞いています。動物にとって効果的であるなら、植物にとっても効果があってもよいはずですが、やはり動植物問わず効果があると示されると驚いてしまいます。
アンモニアの化学合成が農業を変えたのと同じように、水素水は農作物の質を変える農業革命になるかもしれません。ひいては、質のよい野菜や穀物を食べることによって、私たちの健康にも寄与できるかもしれないのです。
このように考えると、創意と工夫によって、水素が活躍できる場所は無限にひろがっていくように思えます。
科学は実用化されて光輝く 執筆:太田成男
水素研究を始めてからの時間はあっという間とも言えますが、非常に長くも感じられます。ある学会で、ミトコンドリアに関する講演をし
た際、「太田先生、ミトコンドリアの研究も始められたのですね」と言われました。
『太田成男=水素の研究者』と思われている方も、多くなっているようです。
私の10年前の写真を比べると、確かに若くなっており、しばらくぶりに会う人からは、「若くなっているので、別人かと思いましたよ」と言われることも多くなりました。
私の現在の研究課題は、「too good」、良すぎることへの対応です。悪いところを良くするのが水素です。問題がないところへはあまり作用しません。こんな都合のよいことが、なぜ起きるのでしょうか?
現在、私の研究室では、昼夜研究に励んでいます。研究が進めば、なぜ水素は良すぎるのかということを平易な言葉で説明できるようになると思います。
高齢化社会にともなって、医療費の増加が社会を圧迫しています。
水素水を飮んだり、水素入浴をしたりすることによって、健康を維持できるようになれば、社会が変わります。元気で働ける高齢者が増えれば、社会の活気が出てきます。
マウスの実験では、平均寿命は延ばすけれど、最長寿命をのばすことはないようです。最長寿命は、その動物が生きられる寿命の最長の寿命で、人間なら120歳です。
つまり、寿命がつきるまでは、健康を保ち、人間なら150歳まで生きてしまうことはないということです。150歳の人がうようよしていたら、それはそれで困る社会となってしまいますが、そんなことにはならないはずです。
「がんばらなくては何もできない。無理をすると続かない」これは、私が若い人たちに説教をするときによく使う言葉です。
「がんばらないと何も成就できないよ。でも、無理をすると続かないよ。その境を見つけるのは自分しかない。がんばりと無理の境を自分で体感して、健康を害さないで、がんばってほしい」という意味です。
最近、マスコミの人を中心に、「水素水を飲んでいると、いくらでもがんばれる」との連絡をよくもらいます。しかし、いくら水素水を飮んだからといって、睡眠もとらないで無理を続けられるものではありません。
水素水が過労死の手伝いをすることになっては困ります。ときどきは水素水を休んで、水素水のチカラを借りずに、体を休めるように注意してほしいのです。
むしろ、水素水を飲まないときがあってこそ、水素水の効果を実感できるよい機会になるのではないでしょうか。
日本には薬機法(旧薬事法)という法律があって、「根拠なく効果効能をうたってはならない」というものがあります。「根拠なく」とは、国や公的機関が認めたものでなければだめだという意味です。
いまは、あるいはしばらくは、水素水についての効果効能は謳えないのです。今後は何とかして、何らかの方法で、公的に認められるようにしたいと思っています。ぜひ、近い将来のことであってほしいと思います。
こうした状況のなかで、地道に水素水を製造販売してきた会社がいくつもあります。こうした会社がないといくら研究しても世の中には広がりません。このような会社の人たちに、この場をもって私の感謝の気持ちを伝えたいと思います。産学連携です。
未来の子どもたちが、「昔の人は、水素が入っていない水を飮んでいたんだって! おどろいたなあ」
そんな時代が来るかもしれません。最後に私の好きな言葉を。
「科学は実用化されて光り輝く」